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2025年1月10日

■ 以下の国際学術雑誌論文が掲載決定になりました.この論文は広島国際大 学,ニッティド株式会社との共同研究の成果で,D3の森永浩介先生(広島国際大 学総合リハビリテーション学部リハビリテーション支援学科,助教)の博士学位 論文の一部です.この論文誌”Heliyon”はCell Pressから発行されているオープ ンジャーナルで,Web of Scienceの”MULTIDISCIPLINARY SCIENCES”というカテゴ リーのQ1ジャーナル(Journal Impact Factorによるランキング)です.おめで とうございます!
Assessing  the acute effect of compression socks on improving arterial compliance in young volunteers
Kosuke Morinaga, Masako Nakahara, Kotaro Matsura, Shigekazu Ishihara, Yasuhiro Idobata, Takafumi Kobata, and Toshio Tsuji
Heliyon  (accepted, SCIE, IF=3.4)

■ 以下の国際学術雑誌論文が掲載されました.
186. Risk of Autism Spectrum Disorder at 18 Months of Age is Associated with Prenatal Level of Polychlorinated Biphenyls Exposure in a Japanese Birth Cohort
Hirokazu Doi, Akira Furui, Rena Ueda, Koji Shimatani, Midori Yamamoto, Akifumi Eguchi, Naoya Sagara, Kenichi Sakurai, Chisato Mori, and Toshio Tsuji
Scientific Reports, volume 14, Article number: 31872, doi.org/10.1038/ s41598-024-82908-4, Published: 30 December 2024. (SCI, IF=3.8)
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-024-82908-4
PDF: https://www.nature.com/articles/s41598-024-82908-4.pdf

2024年12月20日

■ 以下の国内学会発表を行いました.

脳卒中患者におけるiPadを用いたTrail Making Testの有用性の検討
久保 晃紀,濱 聖司,水口 寛彦,神鳥 明彦,辻 敏夫
第58回日本作業療法学会,PA-6, 札幌コンベンションセンター,2024年11月9日~10日.

■ 以下の国際特許(PCT出願)が公開されました.

67. 血液循環システムの制御装置、制御方法及びプログラム
日本国特許出願 特願2022-207247, 国際出願番号:PCT/JP2023/044815, 公開番号:WO/2024/135522,
辻 敏夫, 曽 智, 木下 拓矢, 高橋 秀暢
出願日:2023年12月14日

65. 測定装置
日本国特許出願 特願2022-8023, 国際出願番号:PCT/JP2022/047301, 公開番号:WO/2023/140038,
辻 敏夫, 古居 彬, 許 自強, 森田 暢謙
出願日:2022年1月21日

2024年12月13日

■以下の国際学術雑誌論文が掲載決定になりました.土居 裕和先生(長岡技術科学大学),島谷 康司先生(県立広島大),古居 彬先生(広島大学)らと取り組んでいる乳児自発運動解析プロジェクトの研究成果で,千葉大学との共同研究を土居先生を中心に発展させたものです.この論文誌”Scientific Reports”はWeb of Scienceの”MULTIDISCIPLINARY SCIENCES”というカテゴリーのQ1ジャーナル(Journal Citation Indicatorによるランキング)です.おめでとうございます!

Risk of Autism Spectrum Disorder at 18 Months of Age is Associated with Prenatal Level of Polychlorinated Biphenyls Exposure in a Japanese Birth Cohort
Hirokazu Doi, Akira Furui, Rena Ueda, Koji Shimatani, Midori Yamamoto, Akifumi Eguchi, Naoya Sagara, Kenichi Sakurai, Chisato Mori, and Toshio Tsuji
Scientific Reports (accepted, SCI, IF=3.8)

2024年12月6日

■以下の国内学会発表を行いました.瀬川晃生君,花本太一君は呉高専からのインターンシップ生です.発表,ごくろうさまでした!

変分オートエンコーダを用いたゼブラフィッシュのカフェイン濃度依存性遊泳行動評価
瀬川 晃生, 曽 智, 平野 旭, 脇谷 伸, 吉田将之, 辻 敏夫
2024年度(第75回)電気・情報関連学会中国 支部連合大会講演論文集
R24-17-02,2024年10月

呼吸と運動の同時計測による新奇動物体に対するゼブラフィッシュの情動行動評価
花本 太一, 曽 智, 平野 旭, 脇谷 伸, 吉田 将之, 辻 敏夫
2024年度(第75回)電気・情報関連学会中国支部連合大会講演論文集
R24-17-03,2024年10月

コラム

第751回 2025年,今年もよろしくお願いします!

2025.01.10

今日から2025年(令和7年)の全体ゼミを開始しました.
2024年は大地震と航空機事故に始まりいろいろたいへんな一年となりましたが, 2025年はおだやかで平和な一年となることを祈っています.
今年も2月下旬まで,博士論文,修士論文,卒業論文の作成と各論文発表会が予 定されており,研究室は一年でもっとも忙しい時期を迎えます.各自,体調に十 分に気をつけながら,余裕をもったスケジュールで論文作成や発表準備を進めて いくとよいでしょう.国際的なトップジャーナルに掲載されるような魅力にあふ れた研究論文の完成を目指して,ラストスパートでがんばってください!
2025年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

第750回 Happy Xmas 2024 (War should be over)

2024.12.20

2024年の生体システム論研究室全体ゼミは,12月20日開催の第29回が最後となりました.年内の研究打ち合わせをいくつか予定していますが,2024年の活動はほぼ終了しました.

毎年,国際学術雑誌論文を10編発表することを目標にして活動していますが,2024年もこの目標を達成することができ,活発に教育,研究に取り組むことができました.個人的には,昨年から続いていた健康上のトラブルが少しずつ改善し,充実した時間を過ごすことができました.また,12月に入って日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞が授与されるという素晴らしいニュースが届き,広島で暮らす私たちにとって記憶に残る年となりました.

以下に2024年の生体システム論研究室(辻・曽研究室)の研究業績をまとめておきます.

国際学術雑誌論文: 10編(インパクトファクタ合計値42.6)
国際会議論文: 3編
国内学会発表: 3件
博士学位論文: 1編
特許: 国際特許出願2件

■過去の年間インパクトファクタ合計値と国際学術雑誌論文数の推移:
2024: 42.6(10編)
2023: 39.041(10編)
2022: 30.090(7編)
2021: 48.442(11編)
2020: 46.312(12編)
2019: 44.131(8編)

このような研究成果をあげることができたのは,研究室スタッフ,学生諸君,多くの共同研究者・研究協力者の皆様をはじめ,本研究室を支えてくださったすべての方々のおかげです.ここに改めて御礼申し上げます.

本研究室に関わってくださっているすべてのみなさんにとって,2025年が素晴らしい年になることを祈っています.来年もどうぞよろしくお願いします!

We wish you a very merry Christmas and a happy new year!

第749回 英語論文

2024.12.13

修士論文の作成時や国際学術雑誌,国際会議への論文投稿時には,論文を英語で執筆することが必要になります.もちろん,自力で英語論文を執筆する能力を身につけることが大切なのは言うまでもありませんが,とはいえいきなり英語論文を執筆するのはかなりの困難を伴います.

最近,deep learningに基づく優秀な機械翻訳アプリ,英文校正アプリを手軽に利用することが可能になりました.これらのアプリをうまく使いこなせば,結果的に自らの英語能力の向上につながりますし,先生方に英語原稿を提出する前に英文のクオリティをアップすることが可能になります.

すでによく知られているとは思いますが,以下にいくつかのアプリと関連記事を引用しておきます.

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1.機械翻訳アプリ

■DeepL翻訳:科学技術論文に強く,微妙なニュアンスのある翻訳ができるという評価を受けているスタンダードアプリ.非常にレベルの高い英訳が可能ですし,先行研究サーベイをするときには英文和訳機能も便利です.有料版も比較的安価に設定されており,また30日間無料(いつでもキャンセル可能)なので,手軽に利用することができます.
https://www.deepl.com/ja/translator

■Google翻訳:よく知られている機械翻訳アプリ.無料です.
https://translate.google.co.jp/?hl=ja&sl=auto&tl=ja&op=translate

■Google Scholar:特定の言い回しや専門用語が他の学術論文で使われているかどうかを手軽にチェックすることができます.Googleの検索演算子やワイルドカードを使えばさまざまな検索が可能です.たとえば,日本人の著者だけが使っているような言い回しは避ける,適切な前置詞を見つけるなどの使い方が可能になります.
https://scholar.google.com/

2.英文作成・校正アプリ

■DeepL Write:DeepLベースの英文校正アプリです.英語(アメリカ)を選べば自動で校正してくれます.
https://www.deepl.com/ja/write

■ChatGPT:人間の発話をシミュレートしてユーザと自然なやり取りをするチャットボットのモデルで,オープンAIによって開発されました.
https://openai.com/index/chatgpt/
https://note.com/kan_hatakeyama/n/ncc312ff6a23d

■Grammarly:優れた自動校正アプリとして有名です.Wordに埋め込むこともできます.
https://www.grammarly.com/
https://www.path-to-success.net/grammarly

■Ginger Page:作成した英文を文脈に合わせてチェックする機能などが用意されています.
https://www.getginger.jp/

■AI校正の比較
https://eibun-hikaku.net/topics/ai_checker.html

3.参考情報

・以下の記事では,DeepLとGrammarlyを利用した英語論文作成法が紹介されています.
https://eanesth.exblog.jp/240618090/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000090606.html

・英文の要約文を作成するアプリもいろいろ使えそうです.
https://www.ntt.com/shines/posts/b-t_20201111.html

・「最近ものすごく優秀な修士就活生が増えている」
https://togetter.com/li/1758185
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以上をまとめると,

日本語論文の文章作成(自分の研究と流れが似ているような論文を参考にしながら執筆&推敲)
⇒DeepLで英文変換
(機械翻訳で日本語に戻したときに意味が通じるよう元の日本語論文を修正)
⇒DeepL WriteやGrammarlyなどで校正
⇒専門用語や言い回しをGoogle Scholarでチェック(日本人しか使っていないような言い回しは避け,native speakerが使用しているような言い回しを使う)

というような流れで作業を進めていけば,自力で英作文するよりも容易に英語論文を作成することが可能です.学術雑誌投稿論文についても,研究室内の英語能力の高い人が最終チェックをすれば,高額の英文校正サービスは不要になりそうです.

もちろん,機械翻訳アプリや英文校正アプリによって提示された英文が適当かどうか判断できるだけの基本的な科学英語力を身に着けていることが必須条件で,そのためには普段からできるだけ多くの英語論文を読んでおくことが大切です.また,英語化よりも研究内容の新規性/独創性を明確にすること,日本語論文のストーリ/文章構成の完成度が高いことなどがはるかに重要であることは言うまでもありませんが,便利なアプリを上手に,そして正しく利用して英語論文の作成を進めるとよいでしょう.

レベルの高い英語論文完成を目指してがんばってください!

第748回 論文作成

2024.12.06

生体システム論研究室では,毎年,多くのメンバーが修士論文,卒業論文の作成に取り組んでいますが,最終的にはこれらの論文が国際学術雑誌や学会誌に掲載されることを目指しています.

学会誌や学術雑誌に掲載されるレベルの論文をまとめるためには,
・研究の狙いと新規性,独自性が明確であること
・研究目的に対応した魅力的な研究成果が得られていること
・従来研究との比較や統計的検定といった客観性が十分に示されていること
が重要です.

もちろん,魅力的な実験結果を得たり,その客観的評価を示すまでには,さまざまな工夫と長い時間が必要だと思いますが,研究の狙い,新規性や独自性,研究目的に対応した研究結果を得るために必要なプロセスについては,早め目のチェックを行うこと大切です.研究を進めていくとき,
・全体の狙いや方向性を明確にすること
・部分の詳細を論理的にきちんと構築していくこと
という全体と部分の問題を同時に考慮する必要があります.日々の課題はどうしても後者の部分に関する問題解決が主となり,部分を積み上げていくことのみに気をとられがちですが,部分を寄せ集めても全体にたどり着くわけではなく,研究の大前提である前者については意外にあいまいなままになっていることがあります.

論文の締め切り間際に慌てないためにも,早い時期に書き言葉の形で論文化を進めておくとよいでしょう.

1.余裕を持ったスケジュールで早目に着手:研究結果が揃う前に論文執筆開始する.

2.目次,流れ,ページ割を決定:論文全体のあらすじをおおよそ決定する.

3.従来研究(先行研究)として引用する文献の整理:必要に応じてサーベイを追加する.参考文献のイントロ等をチェックし,従来研究の流れや自分の研究のオリジナリティを再確認する.

4.論文の狙いとそれに対応する結論を明確にし,最も主張したいことをまとめておく:新規性や独自性を主張する核となるポイントはひとつで十分.その代わり,そのポイントについては圧倒的な結果を示したい.

5.「はじめに」を作成:研究の必要性,従来研究の動向と問題点,それを解決するための核となるアイデア,本論文の内容,本論文の成果(従来研究でできなかったことが解決できるか)といったポイントを明確にし,オリジナリティが十分かどうか,きちんと筋が通っているかどうかをチェックする.必要に応じて3から5を繰り返す.

6.提案する方法や開発するシステムの明確化:研究の新規性,独自性を強調し,具体的な理論やアイデアを説明する.

7.研究の新規性や有用性を客観的に説明するために必要な実験と予想される結果(仮説):実験結果からはっきり言えることをきちんと把握し,従来法との比較や統計的検定などを用いて提案法の有用性を示す.

参考のため,自己評価用のチェックリストを以下にまとめておきます.

・研究題目は研究の特徴や魅力を端的に表しているか,
・研究の必要性はクリアか,
・研究目的は明確で説得力があるか,
・従来研究のサーベイは十分か,
・従来研究の問題点が明確に示されており,解決すべき研究課題が明示されているか,
・研究の新規性,オリジナリティが明確になっているか,
・研究内容の再現性,一般性,普遍性は十分か,
・研究結果は従来研究の結果と比較して魅力的か,
・目的に挙げた研究課題が解決されているか,
・結論は明確か

修士論文,卒業論文の早期完成を目指すとともに,その論文を国際学術雑誌等に掲載することを目標にがんばってください!