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講演後の反響

2011年10月24〜26日の3日間,パリで 3rd Intenational Joint Conference on Computational Intelligence (IJCCI 2011)が開催されました.
IJCCIは,ECTA (International Conference on Evolutionary Computation Theory and Applications), FCTA (International Conference on Fuzzy Computation Theory and Applications), NCTA (International Conference on Neural Computation Theory and Applications)という3つの国際会議を合同開催したjoint conferenceで,A-lifeグループの曽 智君が参加し研究発表を行いました.


学会での講演の良し悪しを測ることは容易ではありませんが,講演後の反響の大きさは一つの手がかりとなります.
講演後に話しかけられたり質問を受けたりするということは,講演内容がオーディエンスにとって(少なくとも一部のオーディエンスにとって)興味深いものであったということを意味します.
年末から年始にかけて学会が続きますが,口頭発表を終えた後に多くの人に話しかけてもらえるような研究成果&発表を目指したいですね.

以下は曽君が作成してくれた発表記録です.
特別講演に関する情報も興味深く,今後の研究のヒントとなるかもしれませんね.
学会発表,おつかれさまでした!


■開催地: フランス・パリ
■開催期間:2011年10月24〜26日
■発表形式:口頭発表
■予稿情報:
On-Center/Off-Surround Neural Network Model For Olfactory Attention
Zu Soh, Toshio Tsuji, Noboru Takiguchi, and Hisao Ohtake
3rd Intenational Joint Conference on Computational Intelligence (IJCCI 2011) Proceedings, pp.183-189, Paris, France, 24-26 Oct. 2011.

【質疑応答】
Q1.マウスのニオイ識別実験は1個体だけで行ったのか?
A1.いいえ,8個体で実験しております.識別率の棒グラフのSDは8匹のSDを表しております.

Q2.どのようにして糸球体の神経活動パターンを計測しているのか?
A2.インターネットのデータベースからダウンロードして使っておりますが,そのサイトでは,2DG法という方法を使って計測しております.
45分間ラットにニオイを嗅がせてから,冷凍して嗅球を取り出してスライスして...(質問者から分かったと合図されたので)URLをチェックすれば詳しい情報が見られます.

Q3.マウスのニオイ識別率をうまく予測していたが,完璧なモデルができたとしてどのようなことに応用できると考えているのか?
A3.マウスのニオイ識別率はニオイの類似度を表すPerceptual characteristicsと考えることができる.
これをヒトに応用すれば,ニオイを直接嗅がずともどんなニオイかコンピュータが判断できるようになるので,官能検査を行う機械を作ることができると考えている.

【感想】
質問時間での反応は微妙だったものの,発表が終わってから質問に来られた方が数人おりました.
そのときの質問内容はいずれも応用に関するものでした.
つたない英語であったものの発表・質疑応答ともに最低限の内容は伝わった印象でした.
反応が微妙だったのは,モデルの必要性や妥当性が評価しずらかったからだと考えられます.
学会全体的には,情報の次元を圧縮するときは相互情報量を使うべきと主張した特別講演など面白い発表がいくつもあり充実しておりました.


2011/11/22