続・博士学位取得への道
先週に引き続き,学位審査の説明をしましょう.
課程博士の場合,博士論文作成着手審査はD3の11月または12月の上旬の会議で行われ,博士論文をまとめるだけの準備ができたかどうかを判定します(書類審査).
着手の条件は,
・学会誌等学術雑誌論文(以下,ジャーナル論文)3編(場合によっては2編),
・国際会議発表論文(以下,カンファレンス論文)3編(場合によっては2編)
を発表していること(掲載決定を含む.投稿中は除く)が目安です.
このラインをクリアし,かつ申請者の研究へのcontributionが十分認められれば,ほぼ大丈夫です.
このとき,博士学位論文の原稿がおおよそ完成している必要があります.
博士論文作成着手審査に合格すると,次は予備審査です.
これは学位論文の内容を審査するとともに,発表形式でプレゼンテーション能力,および質疑応答能力を審査します.
通常は12月中旬から下旬に行われます.
必要に応じて学位論文の内容を修正し,主査,副査の先生方から了承が得られれば合格です.
予備審査に合格すると,1月中旬に正式な学位審査申請を行います.
必要な書類を大学事務にきちんと提出すると,書類審査を経て審査開始の可否が正式に決定します.
書類に不備がなければ問題なく本審査が開始されます.
そして,いよいよ本審査です.
本審査はオープンで,論文内容の発表+質疑応答をいわゆる公聴会という形式で,2月の下旬に行います.
公聴会にはだれでも出席できます.
それから英語能力の判定も行います.
もちろん,国際会議で論文発表を十分に行っているはずですので英語能力は証明したことになります.
本審査に合格すると,最後が教授会での投票による合否判定です.
出席者全員から合格判定がもらえるといいですね.
博士学位取得日は,3月下旬の学位記授与式で,「博士(工学)」の称号が授与されます.
複雑な審査手続きですが,基本的には博士論文作成着手審査と予備審査に合格すれば,あとは書類等をきちんと作成するだけでほぼ大丈夫です.
したがって重要なことは,D3の11月頃までに,必要な研究業績を達成できるかどうかということになりますね.
(以下,次回に続く.)
2006/01/18 |