論文投稿のすすめ(その3)
国内誌も国際誌も,論文原稿を執筆する際に心がけることは同じです.
自分の論文の新規性+有用性を,できる限り明確かつ効果的に示すことが肝要です.
また,ある意味,学術論文でも小説やエッセイのようなおもしろさやドラマチックなストーリがあると魅力が増しますね.
圧倒的な結果,思いもよらない結果を示せると読者もひきつけられると思います.
論文を作成する力をつける最も効果的な方法は,他の人の論文を読むことです.
「他の人の論文」には2種類あります.
学術誌等に掲載された論文と執筆途中のドラフト段階の原稿です.
もちろん,前者は論文のお手本として役に立ちます.
論文構成や議論の展開の仕方,また式や図の書き方から言葉遣いに至るまで非常に参考になると思います.
特に英語で執筆しているときはで英語を母国語とするnativeによる言い回しをできるだけたくさん参考にするといいですね.
質の高い複数の論文を参考にしながら,あとは自分の判断で執筆していくといいでしょう.
ある程度の論文作成能力が身についた人(たとえば大学院生)は,他の人(たとえば後輩)の論文作成指導をするといいと思います.
自分で自分の論文を書いているとどうしても細部にこだわり過ぎてしまい,全体が見えなくなってしまったり,わかりにくい表現や流れに気がつかなかったり,ということがよくあります.
ところが,人の論文であれば客観的に全体を見渡すことができ,問題点やわかりにくさがクリアに見えてきます.
そういった問題をどのようにすれば改善できるかということをよく考えて指導することにより,自分の論文を客観的に推敲する力が徐々に身についてきま
す.
他の人の論文作成指導ができれば自分自身の論文指導もできますよね.
来年3月に向けて,研究の総仕上げと論文作成の時期に入ります.
早目に着手し,論文執筆を行ないながら不足点を補っていき,学術誌への投稿を目指すといいでしょう.
みなさん,がんばってください!
2008/10/21
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