2020年に入って,D3の岸下 優介君,Chetan THAKURさんの博士学位審査が始まりました.二人とも予備審査に合格し,本審査に進んでいます.
第539回 博士学位への道 (その1)
https://bsys.hiroshima-u.ac.jp/wordpress/news/15530
第540回 博士学位への道 (その2)
https://bsys.hiroshima-u.ac.jp/wordpress/news/15541
第541回 博士学位への道 (その3)
https://bsys.hiroshima-u.ac.jp/wordpress/news/15571
研究室内から博士課程後期に進学する人にとっては,博士課程後期入学までに論文業績をあげることが重要です.それは,日本学術振興会(以下,学振)の特別研究員(DC)に採用される可能性が高くなるからです.たとえば学振の特別研究員DC1に採用されると,月給約20万円に加えて年間約100万円の研究費(科学研究費)が支給されます.つまり,博士課程後期3年間で計約1000万円の援助を受けることができます.もちろん,返済義務はありません.生体システム論研究室では,これまでに多くの学振特別研究員を輩出しており,現在も岸下優介君がDC1として採用されています.
日本学術振興会特別研究員について:
https://bsys.hiroshima-u.ac.jp/wordpress/news/14504
また本学大学院工学研究科では,ティーチングアシスタント(TA)制度,リサーチアシスタント(RA)制度を用意しています.TAは教員の教育や社会貢献活動を補佐するもので,経済的支援に加えて指導者としてのトレーニングを積む機会となります.RAは博士課程後期の学生が研究科教員の研究プロジェクトの実施を補佐するもので,年間授業料相当額の給与を支給します.つまり,研究補佐を行うことにより実質的には授業料は免除されているのと同じことになります.もちろん,給料を貰っている場合には金額に見合う労働や成果が要求されますが,そのことがプロフェッショナルな研究者としての良い訓練になります.
他にも,日本学生支援機構の奨学金は申請すればほぼ確実に支給されます.これは返還義務を伴いますが,成績優秀者(学会賞などの受賞者や著名な雑誌での論文発表者など)には返還が免除されることがあります.
日本学生支援機構:
https://www.jasso.go.jp/index.html
その他の奨学金情報:
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/shogaku_dantaiseido/index.html
一方,社会人学生への経済支援プログラムもいくつか用意されており,特に広島県では社会人学生への経済支援プログラム「広島県未来チャレンジ資金」(個人向け修学資金貸付制度)という広島県人材育成事業を実施しています.
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/72/challenge-koubo.html
対象者は大学院博士課程後期の社会人学生(企業又は官公庁等における実務経験を2年以上有すること)のうち広島県内企業等に就業しようとする者で,すでに在学している社会人学生も対象です.貸付限度額は月額10万円で,支給対象は入学金,授業料,通学のため転居した場合の賃借料です(在学生の場合は授業料のみが対象となります).
貸付金は,博士課程修了後の9年間の内8年間以上を広島県内企業に就業した場合,全額返済免除になります.40才未満で日本国籍を有する者又は日本への永住が許可されている者という制限がありますが,社会人選抜で博士課程後期に入学を希望する方にとっては非常に魅力的な事業です.
またこの事業の以外にも,広島大学では一般学生を対象とした以下のような経済支援を用意しています.
https://momiji.hiroshima-u.ac.jp/momiji-top/life/keizaishien/financial.html
博士課程後期への入学を希望する人は,以上のような経済支援策をうまく活用するとよいでしょう.