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第539回 博士学位への道 (その1)

2019.05.15

現在,生体システム論研究室では博士課程後期在学中の数名が博士学位審査の準備を始めています.また,毎年,主に社会人や留学生の方から博士課程後期進学の相談を多く受けますので,今回から何回かに分けて博士学位審査の概要を解説しようと思います.

博士学位の取得は,大学や高専等の高等教育機関,国や地方自治体などの公的研究機関などの研究職,あるいは大企業の研究所への就職を希望している人にとっては特に重要で,最近では博士学位取得が採用の必要条件になりつつあります.もちろん,博士学位は十分条件ではなく,優れた研究能力やコミュニケーション能力,卓越したリーダーシップ能力などが必要であることは言うまでもありませんが,将来,研究職につきたいと考えている人は博士学位取得の可能性を考えてみるとよいのではないでしょうか.

まず,博士学位審査のしくみについて簡単に説明します.
博士学位には,博士課程後期に入学し所定の単位を修得して学位審査を受ける「課程博士」と,入学せずに博士論文審査のみを受ける「論文博士」があります.昭和の時代には「論文博士」が多かったのですが,最近は大学院社会人選抜制度が定着したこともあり,社会人でも特別な理由がない限り大学院博士課程後期に入学し「課程博士」を目指すのが一般的です.

以下のページに本学大学院工学研究科の学位授与要件,および学位申請基準が掲載されています.
https://www.hiroshima-u.ac.jp/eng/graduateschool/acquisition_doctorates

次回は,課程博士の学位審査の仕組みについて,もう少し詳しくお話しします.