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第283回 オープンキャンパス開催報告(その2)

2011.10.11

先週に続いてオープンキャンパス2日目の総括です.
アンケートに記入された見学者のコメントから分かるように,多くの方に楽しんでいただけたようです.

オープンキャンパスでデモを行うためには,研究内容が優れているだけでなく,
・研究の魅力をわかりやすく説明できること,
・ライブで実演できるだけの再現性と確実性を備えていること
という条件を満足する必要があります.

そう簡単なことではありませんが,工夫をすれば本研究室のどの研究テーマも上記条件をクリアできると思います.
各自,自分の研究を来年度のオープンキャンパスでデモンストレーションするためにはどのような工夫が必要か考えてみるとよいでしょう.
今後もより良い研究デモンストレーションを目指してがんばりましょう!

===<2日目>======================================
平野(陽)です.
本日,オープンキャンパスの2日目が開催さました.
本研究室では昨日に引き続き,ME・生体・A-Lifeグループがデモを行いました.

本日は50名強の方が研究室を訪れました。.
高校生だけでなく保護者の方もおられました.
以下,本日のアンケート結果と各デモの議事録です.

アンケート結果

テーマ名         得票数/見学数(割合(%))
超音波・エアパック脈波:34/55(61%)
医療用シミュレータ   :36/55(65%)
ドライビングシミュレータ:45/55(81%)
小型魚類         :33/55(60%)
線虫            :35/55(64%)
※得票数は,面白いと感じたテーマにチェックされた数

アンケートに書かれていた感想

・全部興味深い内容で,とてもおもしろかったです.
・かなり実用的で,将来に役立つ物作りだと感じました.
・身近なところ全てに工学部の力があることを知り,感動しました.
・とても丁寧な説明で分かりやすかったです.
・どの研究も奥深く,また親切に接してくださったので,良かったです.
・大変勉強になりました.
・面白い実験をたくさん見せて頂き,とても興味を持ちました.
・どれも面白い研究内容でした.

各デモ議事録

グループ名:MEグループ(部屋番号:544)
デモ内容:超音波測定,エアパックセンサ
説明者 :平野
実演者 :木原,堀内

質問内容:
Q1.エアパックセンサは実用化されるのですか.
A1.今冬に発売予定となっております.

Q2.ME組の研究は工学的知識だけでもできますか.
A2.医学的知識も必要ですが,研究室に入ってからの勉強で十分です.
工学的知識も必要ですので,工学部の授業をしっかり勉強しておくことが重要です.

Q3.大学卒業後も医学部とのつながりはありますか.
A3.就職先によります.
医療機関や医療メーカーに就職すればつながりがあるかもしれません.

Q4.シートからは脈波だけ計測されるのですか.
A4.脈波以外にも体動や呼吸波が計測されます.
これらはフィルタ処理をすることで分離することができます.

Q5.シート脈波の結果は太った人と痩せた人で違った補正のかけかたしているのか.
A5.筋肉の特性とシートの特性を合わせることで補正をかけることなく太った人も痩せた人も同様の結果を得ることができます.

Q6.エアパックはパスカル単位で計測しているのですか.
A6.圧力の変化をボルト単位に変化して計測しています.

感想:
説明やデモをしている時は相槌を打つなど反応があったが,質疑応答になると反応がなかった.
研究内容だけではなく,大学生活のことや受験のことについての質問を誘ってみたが反応は薄く,待ち時間をこちらが一方的に話す形となってしまった.
もう少し,相手に質問しやすい雰囲気を作った方がよかったのかなと思いました.
来年度は質問をしてこないことを前提に対策をとる必要があると感じました.

グループ名:生体グループ(部屋番号:A1-532)
デモ内容①:ドライビングシミュレータ
説明者  :成末
実演者  :中原

質問内容:
Q1.大学はどんな感じなのか.
A1.大学では自分で授業を決めることができたり,いろいろな部活やサークルに所属することもできるので,高校までとはまた違った楽しみ方ができると思います.

Q2.どうやってステアリングの固さを変えているのか.
A2.ステアリングの固さは機械インピーダンスの運動方程式を用いて表わされており,剛性K,粘性B,慣性Mの3つのパラメータを変更することにより固さを変えるができるようになっています.

Q3.実車のステアリングの固さを再現することはできるのか.
A3.実車のステアリングに関するデータがあれば,それを基に再現することは可能です.

Q4.制御PCの画面に表示されているものは自作しているのか.
A4.私たちの研究室で自作したものとなっています.
ただし,1人で作成したのではなく,過去の先輩から引継いでそれを応用していくことで現在の形となっています.

感想:
特に大きな問題はなく,説明を行えたと思います.
ただ,全体的の反応が薄く,質問もあまり出なかったので,もう少しわかりやすく説明する必要があったのではないかと思います.

グループ名:生体グループ(部屋番号:A1-532)
デモ内容②:医療用シミュレータ(ハプティックデバイス)
説明者  :佐々木
実演者  :大塚

質問内容:
Q1.ハプティックデバイスは医療の現場で使われているのですか.
A1.まだ研究中なので実際には使われていません.

Q2.プログラムはすぐできるようになりますか.
A2.頑張り次第ですが,複雑なプログラムができるにはかなり時間がかかります.

Q3.ハプティックデバイスを九大でも見たのですが・・・
A3.この装置は市販品なので同じ装置を用いて研究している所もあります.

Q4.補助物体は何でできているのですか.
A4.人肌ゲルといって人間の肌に近い感触を持つものでできています.

Q5.硬くなるのはどの様な制御をしているのですか.
A5.つつく時に装置からつつく方向とは反対方向に力を出して,硬く感じるように調整しています.

感想:
説明はトラブル無く行うことが出来ましたが,見学に来ていた人の反応から内容をうまく伝えきれていないと考えられる場面がありました.
もっと説明を簡潔にして聞いた人がイメージしやすくする必要があると考えます.
デモでは良い反応が多かったので,楽しんでもらえたと思います.
今後もより良いデモを目指して検討していきたいと思います.

今後の課題:
・説明の仕方の検討

グループ名:A-lifeグループ(部屋番号:533)
デモ内容①:小型魚類(ゼブラフィッシュ)の生体電気信号計測
説明者  :来山
実演者  :来山

質問内容:
Q1.この装置をどのように使うのか.
A1.計測している信号は呼吸に同期していて,呼吸は周囲の環境の変化に応じて調整されるため,魚にとっての周囲の環境である水の変化を調べることができます.
そのため,浄水場などで水質検査装置に使うことができます.

Q2.波形の高さは何を表しているのか.
A2.信号の大きさを表しています.上であるほど電位が大きく,下であるほど電位が小さいことを表しています.

Q3.電極は電気の流れを測っているのか振動を測っているのか.
A3.鰓を動かす時に発生する電気の流れを測っています.

感想:
全体的に消極的だったのですが,こちらから話しかけると少し話が盛り上がったので,もっと気をつけた方がいいと思いました.
デモは5分いっぱいまで使ってしまっていたので,終わりが急な展開になり,良い印象を与えられなかった可能性があります.

グループ名:A-lifeグループ(部屋番号:533)
デモ内容②:超小型生物(線虫)の人工生命体
説明者  :正岡
実演者  :正岡

質問内容:
Q1.線虫はどこに住んでいるのか.
A1.土壌のあるところならどこにでも生息しています.

Q2.τは何を示しているのか.
A2.トルクを示しており,線虫が出している筋の力を表しています.

感想:
説明の時間が長くなり,質問の時間をうまくとることができませんでしたが,去年よりは,砕けた感じで話しかけることができたと思います.
次回は,もっと人を惹きつけられるような説明を目指して頑張りたいと思います.

受付・案内係
今後の課題点
・まばらに来訪者が来た際の効率良い案内の方法を検討した方がよい.
(時間調整用の一時待機室があれば良いかも)
・案内係は各デモ部屋に入る前にノックをした方がよい.
(前グループデモ終了後に次グループを受け入れる準備を行えているか確認するため)