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第319回 2012年度オープンキャンパス開催報告(その2)

2012.10.16

先週に続いてオープンキャンパス2012の総括(2日目)です.

いつも言っていることですが,研究のデモンストレーションを行うためには,研究内容が優れているだけでなく,
・研究の特徴・魅力を明確に把握し,そのエッセンスを提示できること,
・その場で実演できるだけのリアルタイム性と確実性を備えていること,
・見学者に合わせたレベルで,分かりやすい言葉で研究内容を説明する能力を有していること,
・その場の状況や雰囲気に合わせて臨機応変な対応ができること,
というような条件を満足する必要があります.

そう簡単なことではありませんが,魅力的なデモンストレーションが行う能力を身につけることができればさまざまな意味で大きな武器になると思います.
各自,自分の研究を来年度のオープンキャンパスでデモンストレーションするためにはどのような工夫が必要か考えてみるとよいでしょう.
今後もより魅力的な研究デモンストレーションを目指していきましょう.

<2日目>

平野(陽)です.昨日に引き続き,本日はオープンキャンパスの2日目が開催されました.
本日はME・生体・A-Lifeグループがデモを行いました.高校生だけでなく保護者の方もおられ,結果的には50名弱の方が研究室を訪れました.

以下,本日のアンケート結果を記します.

■グループ名:MEグループ(部屋番号:544)
デモ内容1:電磁誘導センサ&超音波装置による血管径計測
実演者:伊藤(雅)
説明者:高間&平野(博)

デモ内容2:エアパックセンサによる脈派計測
実演者  :高間
説明者  :伊藤(雅)&平野(博)

質問内容:
Q1.第2類では別の企業と共同研究を行っているか.
A1.本研究室では日立製作所,デルタツーリング,日本光電,マツダ等の企業と共同研究を行っております.
Q2.エアパックセンサは市販されているか.
A2.市販されております.なお,価格は3万円になります.
Q3.医学部に行って研究を行っているのか.
A3.医学部には実際に何度か伺って研究の発表等を行っております.
Q4.体重計に搭載されている血圧計測機能はデモで使用したセンサと同じ機器か.
A4.それは体組織計といわれるもので,体脂肪や基礎代謝量などから血圧を推定可能な機器だと思われます.しかし,実際に血圧を計測しているわけではないので,市販の説明したセンサとは異なります.

感想:
前日,デモで使用する予定であった超音波装置が故障し,UNEXを代用した.
デモに対する反応は良く,特にエアパックセンサのデモ中には,聴講者の感嘆の声を記憶している.
今年度の聴講者には保護者の方や中学生なども多く見受けられたので,今後は高校生に対象を絞らない発表ができるよう改善する必要がある.

■グループ名:生体グループ (部屋番号:A1-532)
デモ内容①:ドライビングシミュレータ
説明者  :末田
実演者  :末田

質問内容:
Q1.研究室配属はいつ行われるのか.
A1.私たちの学校は大学4年生で研究室に配属されます.
Q2.大学院はどうやって入るんですか.
A2.大学4年生の8月に試験を受けます.
Q3.夏休みはあるんですか.
A3.8~9月の間が夏休みです.

感想:
体験してもらうデモなので楽しんで頂けたと思います.
グループによって反応が良かったり,悪かったりしました.
そのため,今後は反応が悪いグループにも興味を持ってもらうことができるようなデモを心掛けたいと感じました.

■グループ名:生体グループ(部屋番号:A1-532)
デモ内容②:医療用シミュレータ(Falcon,LapSim)
説明者  :大塚
実演者  :大塚

質問内容:
Q1.Falconはどういう原理で動いているのですか.
A1.モータとワイヤーを使ってワイヤーを引っ張る強さで人に力を提示しています.
Q2.力覚を出す装置を使った手術ロボットはあるのですか.
A2.手術ロボットはありますが,力覚を提示できる物はまだありません.
Q3.どうやって力覚を提示しているのですか.
A3.装置の中にあるセンサやモータをプログラムにより制御して提示しています.

感想:
現場で実際に使われている物や実験装置に触ってもらいながら説明できたのである程度興味を持ってもらえたようでした.
しかし,去年と同じく説明が長くなりがちであったので説明内容を整理する必要があると感じました.

今後の課題:
説明の整理

■グループ名:A-lifeグループ(部屋番号:533)
デモ内容①:小型魚類(ゼブラフィッシュ)の電気信号計測
説明者 :宮本
実演者 :宮本

質問内容:
Q1.ゼブラフィッシュのロボットはあるんですか.
A1.ゼブラフィッシュのロボットは無いのですが,ゼブラフィッシュのモデルを作成し,コンピューター上でゼブラフィッシュの動きを再現するという研究を行っています.
それが完成したら,その技術をロボットに活かしていきたいと考えています.
Q2.波形が小さくなる時があるのはなぜですか.
A2.魚が電極と電極の間にいると波形が小さくなることがあります.
今後は,電極を増やしたりすることで問題点を解決しようと考えています.

感想:
デモは特にミスもなく発表できたと思います.
しかし少し説明が足りない部分があったということと,インパクトに欠けるという印象を個人的に感じたので,来年のデモでは今回の反省を活かしてより良いデモ発表を目指していきたいと思います.

■グループ名:A-lifeグループ(部屋番号:533)
デモ内容②:超小型生物(線虫)の人工生命体
説明者 :正岡
実演者 :正岡

質問内容:
Q1.ロボットは1から作るのか.
A1.ロボット自体は作っていません.生物の仕組みをロボットへ応用することを目的としているため,制御などがメインとなります.
Q2.マウスの研究ではどんなことを行っているのか.
A2.マウスの嗅覚を応用したニオイの評価システムの構築等を行っています.

感想:
昨年と比べると説明の時間は短くなったと思います.
モデルをマウスで動かしてもらう時に無線のマウスがあれば便利だと思いました.

■案内係
担当:木原,成末,菊池,福地

感想:
・待ち時間中に見学者を立った状態で待たしてしまったため,疲労が蓄積したのではないかと感じました.
・今後は待合室などの設置をしたら良いのではないかと感じました.
・見学者が質問がない場合に質問を促す対応をよりできれば良かったと思います.

■見学者数:48名
■アンケート集計結果:
ME得票数:32票
生体得票数:39票
A-Life得票数:26票
※48名全員が全グループのデモを見ているとは限らない

■自由コメント欄に頂いたご意見・感想:
・椅子などで血圧が測れるのは面白かった.
・興味深い内容で面白かったです.
・すごくおもしろそうだった.
・大学生の方がとても分かりやすい説明をしてくださったので研究に興味がわきました.
・医療との関連性がとても面白かったです.
・どれもおもしろそうでした.
・説明が分かりやすかった.
・実際に触っている感覚などがとても楽しかった.
・二類の中でも選択肢が多くて驚きました.
・とても楽しかった.興味がわきました.
・工学部に興味がわきました.このような形で医療に関わる事もできるのだなと思いました.
・おもしろかったです.飽きない!
・生体に興味があったのでどれも面白かったです.人の役に立つ研究ですね,頑張ってください!
・丁寧で分かりやすい説明でした.ありがとうございます.
・説明とかは難しいと思う部分が少しあった.
・この学部に入りたくなった.
・早く歯医者で患者の痛みがわかるものができるといいなと思った.
・触った時にシミュレーションでも手に感じられて面白かったです.
・医療シミュレータは奥行きがなくて難しいかったの3D化したら分かりやすいと思いました.
・実際に器具を触らせていただき,丁寧に説明していただきありがとうございます.
・多方に興味がわきました.
・電気電子工学の幅の広さが分かった.
・わかりやすくて面白かった.
・様々な分野で様々な知識が役立っていたのでもっと日頃から勉強したいと感じました.
・工学のイメージが少し変わった.
・楽しく分かりやすかった.