極めて残念なことですが,生体システム論研究室の博士課程前期2年 木原大輔君が去る2月10日に亡くなりました.
あまりにも突然の悲報に接し,研究室メンバー一同,言葉を失っています.
木原君は中学生のころにI型糖尿病という難病を患い,治療を続けながら勉学に励んできました.
ところが,2月上旬に体調を崩したため血糖値のコントロールが困難となってしまい,アパートの自室で倒れそのまま帰らぬ人となりました.
木原君は平成22年に生体システム論研究室に配属された頃から,非常に真面目かつ何事にも研究熱心で,人の何倍もの努力を続ける強い意志を持っていました.
当初は人前で話すことが苦手でしたが,持ち前の努力でこれを克服し,最近は研究室の発表評価アンケートで最高点を獲得するなど素晴らしい能力を発揮していました.
また,優しく思いやりのある性格で,後輩の世話や研究指導を積極的に行ってくれていました.
研究面ではMEグループに所属し,血管内皮機能の新たな計測・評価法の開発というテーマに取り組んでいました.
修士論文は2月上旬の時点でほぼ完成しており,その研究内容を計測自動制御学会論文集に投稿したばかりでした.
あとは最終の修論発表を残すのみで,4月からはキャノン株式会社という大企業に就職が内定しているというこの時期の訃報となってしまい,本当に残念でなりません.
2月14日には通夜が,15日には告別式が平安祭典東広島会館で執り行われ,親族の皆様をはじめ多くの関係者や学生が参列し,木原君を見送りました.
共同研究でお世話になっている広島大学医学部長 吉栖正生先生をはじめ,多くの卒業生も遠方から駆けつけてくださりました.
また,血管弾性研究会で共同研究を行っていただいている医学部の先生方や企業メンバーの方々から多くの供花や弔電が寄せられました.
ここに改めて御礼申し上げます.
謹んで木原大輔君のご冥福をお祈りします.
広島大学大学院工学研究院
生体システム論研究室 教授
辻 敏夫