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第726回 血管弾性研究会(最終回)

2024.05.10

血管弾性研究会は,2002年2月19日に当時の広島大学大学院医歯薬保健学研究科 麻酔蘇生学教室の河本 昌志先生(広島大学名誉教授),佐伯 昇先生(広島大学大学院医系科学研究科准教授)とともに第1回研究会を広島大学西条キャンパスで開催し,その活動を開始しました.

当初は,血管平滑筋の機能的なかたさ変化をリアルタイムで非侵襲計測する新たな技術を確立し交感神経遮断術中の診断支援に役立てようという目的で,半年に1回くらいのペースで研究会を行なっていました.その後,研究が進むにつれて徐々に開催頻度が上がり,最近は年に3回のペースでTeamsによるリモート研究会を開催していました.この間,吉栖 正生先生(広島大学名誉教授,安田女子大学教授),東 幸仁先生(広島大学大学院医系科学研究科教授,原爆放射線医科学研究所長),中村 隆治先生(広島大学病院講師),平野 陽豊先生(藤田医科大学講師),藤田 悦則先生(デルタ工業常務取締役),岡田芳幸先生(広島大学大学院医系科学研究科教授)ら多くのメンバーを迎え,研究テーマもひろがっていきました.現在は,自律神経活動モニタリングや自動血圧計を利用した血管内皮機能評価法,疼痛計測法の提案とfMRI研究,非観血血圧計測技術の開発,体表脈波計測技術と体調急変予測法の提案など多くの研究テーマに取り組んでいます.

2002年の第1回研究会からちょうど22年が経過した2024年2月19日に,最終回となる第80回血管弾性研究会を開催しました.当日は通常の研究発表に加えて,過去22年間を振り返りながらこれまでの活動を総括しました.

血管弾性研究会は生体システム論研究室の内外から支えてくださった多くの共同研究者の方々のお陰で,長い間,その活動を続けることができました.すべての研究会メンバーに感謝しつつ,今後は各研究テーマごとに個別の活動を行いながら,広島大学における産学連携・医工連携研究を推進していければと思います.引き続きよろしくお願いいたします.

血管弾性研究会の変遷と役割