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第666回 研究成果最適展開支援プログラムA-STEP(育成型)

2022.10.14

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は,大学等の基礎研究成果を企業との共同研究に繋げるまで磨き上げ,共同研究体制の構築を目指すための支援事業「研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムA-STEP 産学共同(育成型)」(以下,A-STEP育成型)を実施しています.
https://www.jst.go.jp/a-step/koubo/2022_ikusei.html

筋電グループとMEグループが中心となって進めている濱 聖司先生(広島大学脳神経外科,医療法人信愛会 日比野病院)との共同研究が,令和4年度のA-STEP育成型に採択されました.

研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムA-STEP
令和4年度産学共同(育成型)(2022~2024年度)
脳生体ダイナミクスを捉える摂食嚥下機能リモート評価訓練システムの開発

研究代表者:濱 聖司(広島大学,医療法人信愛会 日比野病院)
研究分担者:辻 敏夫,曽 智,古居 彬(広島大学)
研究費合計:3,750万円(間接経費含む)

URL: https://www.jst.go.jp/pr/info/info1575/index.html
プレスリリース: https://www.jst.go.jp/pr/info/info1575/pdf/info1575.pdf

本研究課題では,タブレットを利用した高次脳機能評価,末梢血管剛性計測に基づく自律神経機能評価,動画像や重心動揺計測に基づく主観的垂直認知機能評価,脳画像解析に基づく脳損傷度解析などを組み合わせ,これまでにない画期的な嚥下機能評価システムを開発します.臨床で医師や患者の助けになる新たな嚥下機能評価システムの実現を目指し,研究に取り組みたいと思います.
どうぞよろしくお願いします.

課題概要:
超高齢化に伴い誤嚥性肺炎による死亡者が急激に増加し,2030年には年間約13万人に到達すると予測されている.摂食嚥下は認知/運動/自律神経機能が絡み合った生体機能であり、嚥下障害の診断と治療には複数の診療科の連携が必要となるが,簡便に利用可能な検査訓練装置が存在せず,検査訓練の困難さが大きな社会問題となりつつある.本課題では,摂食嚥下時の運動/自律神経活動を同時計測し,脳画像や認知機能検査などの計測データと統合して障害を診断するシステム「Smart swallow」の構築を目指す.提案システムはポストコロナに対応可能なリモート機能を有しており,医師主導で摂食嚥下障害患者に適したリモート仕様も実現する.