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第540回 博士学位への道 (その2)

2019.05.22

本学大学院工学研究科システムサイバネティクス専攻では,
(1) 予備審査:博士論文作成着手可否書類審査
(2) 予備審査:研究発表審査
(3) 本審査:書類審査
(4) 本審査:公聴会
(5) 教授会審査&投票
という5つのステップで学位審査を行っています.

通常は,修了の4か月前から審査が始まります.3月末卒業の場合は前年の12月初旬,9月末卒業の場合には6月初旬が審査開始のタイムリミットです.
(1)の博士論文作成着手可否書類審査を受けるための基準は,原則として所属する専攻の「学位申請基準」を満たすことです.
https://www.hiroshima-u.ac.jp/eng/graduateschool/acquisition_doctorates

システムサイバネティクス専攻では,査読付き学術雑誌等への掲載論文2編以上,国際会議発表論文1編以上(フルペーパー)を有していることです(掲載決定も可).必ずしも筆頭著者である必要はありませんが,博士論文の核となる研究成果に対応する論文は関しては筆頭著者になることが望ましいですね.
(なお,数年前までの学位申請基準は,査読付き学術雑誌等への掲載論文3編以上,国際会議発表論文3編以上(フルペーパー)でしたが,現在は引き下げられました.)

博士論文作成着手可否書類審査に合格すると,約1か月以内に(2)の予備審査:研究発表審査が行われます.
主査,副査に加え専攻の教授全員が参加し,予備審査会が行われます.審査内容は,自分の研究をまとめた学位論文の内容に関する研究発表と質疑応答です.研究内容がしっかりしたもので,質問に対してしっかり答えることができれば特に問題はありませんが,高度に専門的で複雑な博士論文の内容を,わかりやすく,かつ魅力的に人に伝えることができる能力を有しているかどうかが審査されます.

この予備審査に合格すると,工学研究科に本審査申請を行って書類審査を受け,公聴会(博士論文内容の発表+質疑応答),研究科教授会での書類審議を経て,3月末あるいは9月末の学位記授与式にて博士(工学)の学位が授与されます.

一見,複雑な審査手続きのように感じられるかもしれませんが,実際には(1), (2)の二つのステップさえクリアすれば,残りの3つのステップはほぼ問題なく合格できると考えて大丈夫です.
(来週に続く)