2019年1月21日(月)に今年度最後の血管弾性研究会を開催しました.
血管弾性研究会は,2001年に広島大学大学院医歯薬保健学研究科 麻酔蘇生学教室の河本昌志先生と佐伯昇先生,日本光電工業の鵜川貞二さん,生体システム論研究室という3つのグループ間の医工連携/産学連携研究としてスタートしました.
血管の硬さ変化をリアルタイムで計測する技術を確立し,交感神経遮断術中の診断支援に応用しようという目的で,当初は半年に1回くらいのペースで研究会を行なっていました.その後,研究が進むにつれて徐々に開催頻度が上がり,最近は年に3~4回のペースで西条キャンパスにおいて研究会を開催しています.
この間,研究テーマもひろがり,現在は,自律神経活動モニタリング法や自動血圧計を利用した血管内皮機能評価法,痛み計測法の提案とfMRI研究,非観血血圧計測技術の開発,体表脈波計測技術と体調急変予測法の提案,高次脳機能評価法の開発など多くの研究テーマに取り組んでいます.
また,広島大学大学院医歯薬保健学研究科 心臓血管生理医学教室教授の吉栖正生先生,広島大学原爆放射線医科学研究所教授の東幸仁先生,広島大学病院手術部手術部 助教の中村隆治先生,デルタ工業株式会社取締役の藤田悦則さん,デルタ工業株式会社開発本部技術開発部 副部長の小倉由美さん,生体システム論研究室助教の曽 智先生,本研究室の卒業生で静岡大学学術院工学領域電気電子工学系列助教の平野陽豊先生をはじめとする多くの方々をメンバーに迎え,国や県からの研究助成を受けながら研究活動を続けています.従来の医工連携や産学連携の枠を超え,メンバー同士が助け合いながらチーム一丸となって独創的な医工連携研究に挑戦しています.
1月21日(月)の第67回血管弾性研究会は,長年にわたって本研究会を支えてくださった河本昌志先生の広島大学教授定年退職のお祝いを兼ねた会となりました.河本先生は広島大学医学部附属病院麻酔科研修医・助手,医学部附属病院講師,宮崎医科大学医学部助教授,広島大学医学部助教授を経て,2007年より広島大学大学院医歯薬保健学研究科教授(麻酔蘇生学)を務めておられ,本研究会の創設メンバーです.生体システム論研究室にとっては本格的な医学研究への扉を開いてくださった恩人で,河本先生との出会いがなければ,現在のように医学分野で研究成果をあげることは難しかったのではと思っています.河本先生,長い間,本当にありがとうございました!
当日は,M2の萩山直紀君,隅山慎君,B4の秋吉駿君,田淵元太君,医学部医学科B4の加藤秀範君が研究発表を行いました.また,研究会に先立ってランチパーティを開催し,河本先生とともに楽しい時間を過ごすことができました.パーティの準備を一手に引き受けてくれた野口友枝さん,ごくろうさまでした.
血管弾性研究会は,研究室の内外から支えてくださっている多くの共同研究者の方々のお陰で成立しています.すべての研究会メンバーに感謝しつつ,今後も研究会活動を通じて広島大学における産学連携・医工連携研究を推進していければと思います.