6月8日(水)〜11日(土)に,横浜市みなとみらいにある「パシフィコ横浜」において日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016 (ROBOMEC2016)が開催されました.
本研究室では学会活動に積極的に取り組んでおり,国内外で開催される学術講演会において毎年20〜30件の研究発表を行っています.
学会にはその分野の専門家や他大学の研究者が数多く参加しており,貴重な意見や最新の情報を得ることができる絶好の機会です.
また,学生の発表者にとっては自分自身を成長させる大きなチャンスであり,他では得ることができないような貴重な経験となります.
ROBOMECは日本のロボット研究分野において最大規模を誇る学術講演会で,今年度は「未来社会を創造するロボティクス・メカトロニクス」のテーマのもと,1,000件をはるかに超える研究発表が行われました.
生体システム論研究室関係からは,以下の9件の研究発表を行いました.
対数線形化末梢血管粘弾性モデルに基づく疼痛評価法の提案:機械的侵害刺激に対する疼痛と血管剛性変化の関係
有國 文也,宝田 真依,平野 博大,曽 智,栗田 雄一,平野 陽豊,鵜川 貞二,中村 隆治,佐伯 昇,吉栖 正生,河本 昌志,辻 敏夫
日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,1P1-13a2(1)-(4),2016年6月.
オシロメトリック法に基づく血管粘性推定法の提案と血管内皮機能評価への応用
田中 敬士,三戸 景永,松本 遼,平野 博大,曽 智,栗田 雄一,平野 陽豊,鵜川 貞二,中村 隆治,佐伯 昇,河本 昌志,東 幸仁,吉栖 正生,辻 敏夫
日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,1A2-02b6(1)-(4),2016年6月
指先接触面変化が触感性に与える影響の考察
荒川 剛,中原 昭,鑓水 清隆,高橋 雅人,大倉 典子,辻 敏夫,栗田 雄一
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,1A2-20a7(1)-(3),2016年6月.
歩行における地面インタラクション情報の計測と再生
飯倉 隆寛,辻 敏夫,栗田 雄一
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,1P1-20a5(1)-(2),2016年6月.
全天球カメラを用いた腹腔鏡手術支援システムの開発
笠原 拓也,恵木 浩之,服部 稔,大段 秀樹,辻 敏夫,栗田 雄一
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,1A1-02a5(1)-(3),2016年6月.
感覚運動機能を向上させるアシストスーツ:SEnS 第四報:腹腔鏡外科医師向けスーツの試作
栗田 雄一,小池 祐輝,田中 孝之,辻 敏夫
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,1P1-02b4(1)-(2),2016年6月.
筋活動度推定に基づく主観的な力知覚量推定手法
岸下 優介,辻 敏夫,栗田 雄一
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,2P2-11b6(1)-(3),2016年6月.
筋活動度,筋力,並びに外力に応答するヒトの手先コンプライアンス楕円体の特性比較
村田 拓也, 辻 敏夫, 栗田 雄一
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,2P2-12a5,2016年6月.
クラス偏KL情報量を利用した相互学習型筋電義手訓練システム
富澤 太,芝軒 太郎,陳 隆明, 辻 敏夫
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2016講演論文集,2P1-02a4,2016年6月.
以下は,研究発表を行った学生7名の感想です.発表,おつかれさまでした!
■指先接触面変化が触感性に与える影響の考察
【発表者】荒川 剛
自分の研究を内容を簡潔に説明し,興味を持っていただいた人には細かいところまで説明するようにして,うまく発表できたと思う.
しかし,実験に使ったフィルムを持っていったのだが,触ってもらうタイミングがうまくつかめなかったときが何度かあったので,今後気をつけたい.
■対数線形化末梢血管粘弾性モデルに基づく疼痛評価法の提案:機械的侵害刺激に対する疼痛と血管剛性変化の関係
【発表者】有國文也
基本的に普段通りの発表ができた.また,補足資料としてPCに詳しい結果などを載せていたが,非常に有用であった.
学生の方にはあまり興味を持ってもらえていないようだったが,先生方(特に福祉,看護系)には非常に興味を持ってもらえ,深い議論ができた.
また,実際に使ってみたいという声もいただくことができ,今後の活動のモチベーションになった.
■歩行における地面インタラクション情報の計測と再生
【発表者】飯倉 隆寛
発表については,要点を中心に短くして発表できたと思うが,早口気味になっていたので今後はゆっくりと喋る様に意識する.
質疑応答についてはしっかりと答えることが出来ない質問があったので,参加者からのコメントや他の研究から学ぶ点が多くあり,
今後の研究方針を含めて非常に有益なものであった.
■全天球カメラを用いた腹腔鏡手術支援システムの開発
【発表者】笠原 拓也
PCで実験動画を示しながら行ったため,スムーズに説明をすることができました.
また,同じ分野の研究を行っている方と議論を行うことが出来たので,大変参考になりました.今回いただいた質問や指摘を今後の研究に活かしたいと思います.
■感覚運動機能を向上させるアシストスーツ:SEnS 第四報:腹腔鏡外科医師向けスーツの試作
【発表者】岸下 優介
今回,自分の研究では無い内容を発表したが,コアタイムを越えても人が途切れることが無く,思った以上にうまく発表ができ,盛況で終わることができたのでよかった.
これは全ゼミへの参加や,先輩・後輩の研究をしっかり理解しようという姿勢が活かせたのではないかと思う.
しかし田中先生(北海道大学)に一部助けて頂く部分もあり,まだまだ未熟である部分も感じた.今後も自分の研究だけでなく他の研究もしっかりと興味を持っていきたいと思う.
■筋活動度推定に基づく主観的な力知覚量推定手法
【発表者】岸下 優介
発表に関しては滞りなく説明することはできたが,自分の手法に穴が多く,指摘される部分が多かったので今後はその指摘された部分を考慮して研究を進めて行きたいと思う.
■筋活動度,筋力,並びに外力に応答するヒトの手先コンプライアンス楕円体の特性比較
【発表者】村田 拓也
初めてのポスター発表でこれまでのオーラルとは勝手が違い戸惑った.実験結果を示す図が見づらかったようで,実験結果の示し方については改善の余地がある.ストーリーの穴を埋めて,より筋の通った研究発表にしていきたい.
■オシロメトリック法に基づく血管粘性推定法の提案と血管内皮機能評価への応用
【発表者】田中 敬士
想像以上に多くの方に興味をもっていただけてよかった.ただ,%ηを箱ひげ図で表記しており,ハイリスク群が健常群とほぼ重なっているのに有意差があり,識別能力が高いことに疑問を感じている方が多かった.
また,純粋な粘性成分のみではなく未定係数のVやkrが残っていることが気になっている方も多く,今後の課題を見直すことができた.
ノンパラメトリックの検定法について,勉強したにも関わらず詳しく答えられなかったため,今後は入念に準備したいと思う.