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第307回 新学術領域「システム分子行動学」数理シンポジウム

2012.05.22

2012年5月11~12日,東京大学において「システム分子行動学」数理シンポジウムが開催されました.
http://www.molecular-ethology.jp/images/2012/03/20120511suri-scheduleabstract.pdf

このシンポジウムは本研究室のA-lifeグループが参加している科学研究費補助金新学術領域研究(研究領域提案型)「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学」の活動の一環として行われたもので,数理モデルやコンピュータシミュレーションを駆使して生物行動の基本原理を理解しようという新しい学問領域の活性化を目的として開催されました.

私たちの研究班からは,曽君と原子力研究開発機構の鈴木さんが講演を行いました.

■曽 智(広島大)
線虫身体の動力学を考慮したシミュレータプラットフォームの提案と走化性シミュレーション

■鈴木 芳代(原子力研究開発機構)
線虫の実構造に基づくモデルによる神経・筋応答シミュレーション

早いもので平成20年度に始まったこの新学術領域も今年度が最終年度となります.
https://bsys.hiroshima-u.ac.jp/wordpress/news/10655

本研究室では,線虫、マウス、ゼブラフィッシュを主な対象として,「生体システムに学ぶ」&「生体システムを利用する」という立場から,機械システムの設計や制御に有用な生物ベースの革新的技術の創出を目指し,生物の情報処理メカニズムの理解とその利用に関する以下の5項目を達成目標としています.

1. 化学物質に対する生物行動のモデル化とシミュレーション
(1) 線虫の神経-筋モデルによる刺激応答の神経情報処理メカニズムの探索
(2) マウスの嗅神経系モデルと行動実験とによる匂い識別における選択的注意メカニズムの探索

2. 生物の情報処理メカニズムに基づくバイオミメティックセンサシステムの開発
(1) 線虫の刺激応答メカニズムを応用した移動ロボットの環境適応制御
(2) マウスの匂い識別アルゴリズムを実装した匂いセンサシステムの開発
(3) ゼブラフィッシュを「生きたセンサ」として用いたバイオアッセイシステムの開発

現時点で上記課題をおおよそクリアしつつありますが,引き続き新たな研究成果と新領域の創出を目指していければと思います.
A-lifeグループのみなさん,ラストスパートでがんばりましょう!