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第291回 研究室見学

2011.12.13

本研究室では,来訪者からの依頼,大学院入学を希望する学生への対応,オープンキャンパス・オープンラボ等の大学行事など,年間を通じてかなりの人数の見学者を受け入れています.
研究室見学では,実験室や学生居室等各部屋の見学,研究内容の概要説明を行い,いくつかの研究テーマについてはデモンストレーションを行います.
このような機会は,研究活動を進めていく上でも,また説明者の説明能力の向上を図る上でも,非常に重要と考えています.

一般的に,見学会で研究紹介を行なうためには,少なくとも以下の点を満足する必要があるでしょう.
・見学していただく価値がある研究内容と研究成果
・見学者の目の前で確実にデモを行なうだけの高い再現性と信頼性
・研究の特徴を効果的に説明するわかりやすいデモンストレーション
・説明者の高い説明能力

見学者への説明を通じて自分達の研究の課題や不足点が見えてくることもありますし,見学者から有益なコメントや研究のヒントが得られることもあります.
説明者にとっては,説明能力を向上するためのよい訓練の場であり,その場の雰囲気や流れをコントロールする力を養う絶好のチャンスでもあります.
良いデモや説明ができる人は非常に魅力的ですね.
研究室メンバー全員,いつでも研究説明やデモができるよう,普段から心がけておくとよいでしょう.

12月3日(土)には,工学部第二類の見学を希望する高校生とその父兄を対象として研究室見学を行いました.
今回の見学は筋電グループが対応してくれました.
以下に,その見学の様子をまとめてくれた記録を引用します.
当日は,対応も説明も理想的で,見学者の方々もたいへん感激されていました.
短い時間でも相手に最大限の良い印象を与える能力,これが大切ですね.
ごくろうさまでした!

デモ内容:CHRIS,Bio-Remote,5指義手
実演者 :芝軒,菊池
説明者 :芝軒,菊池
場 所 :A1-231,A1-241

【質疑応答】
Q1.電極位置はどのように決めているのか.
A1.各動作の筋の反応を確認しながら電極位置を決めております.
例えば,指を動かすと腕の筋の一部が動くので,そこに電極を取り付けるようにしています.

【辻先生コメント】
C1.腕に複数の電極を取り付けて,その個人に合った電極をPCが選定している.

C2.3指義手は3本の指しか動かせないが,5指義手は5本の指をそれぞれを動かすことができ,より人間の手に近い構造である.
そのため複雑な動きが可能である.

C3.5指義手を実際に売り出すためには故障・アフターサービスなどを考慮する必要がある.
そのため現状は困難だと考えられる.

C4.Bio-Remoteはリモコンが沢山入っており,家電の操作が可能である.
また家電だけではなくゲームを行うこともできる.

C5.Bio-Remoteを用いることで寝たきりの方でも隣の部屋から家電操作や他の人との会話ができる.

C6.最終的には誰でも使えるようなユニバーサルデザインを実現していきたい.

【感想】
実演に対しての反応はとてもよかったと思います.
相手の反応を見ながら説明することができ,相手の方も納得しながら聞いて頂けたように思います.
今後はより専門的な知識の説明を取り入れていけるように心がけていきたいです.