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第253回 2010年度新学術領域班会議

2010.11.30

文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学(領域代表者:飯野雄一)」の2010年度班会議・ワークショップが,平成22 年11月8日〜11月10日にホテルアジュール竹芝,および東京大学小柴ホールにおいて行われました.

文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究は,既存の研究分野の枠に収まらない新興・融合領域や異分野連携などの意欲的な研究を見い出し,新たな研究領域や革新的・挑戦的な学術研究の発展を促すことを目的として2008年度に設置されたの研究種目で,飯野雄一先生(東京大学)を領域代表者とする「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学」は2008年度に採択されました.
2010年は中間評価の年度にあたり,今回の評価結果がよければ2012年度まで継続する予定です.

本研究室は,計画研究班の一つとして「生物行動のシステム工学的解釈とバイオミメティックセンサシステムの提案」というテーマで研究に取り組んでいます.
研究メンバーは,本研究室からA-lifeグループの曽 智君,服部 佑哉君,来山茂央君,山田 泰隆君,齋藤 牧紀君,正岡 和弥君,金沢大学の滝口 昇先生,日本原子力研究開発機構の鈴木 芳代さん,それに大阪大学の大竹 久夫先生です.

先日,開催された2010年度班会議では以下の2件の研究発表を行いました.

線虫の身体運動モデルと動画像情報を利用した線虫の筋活動推定法の提案
(A study on prediction of muscular activities using C. elegans models and video image)
山田 泰隆, 鈴木 芳代, 曽 智, 服部 佑哉, 辻 敏夫
新学術領域研究「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学」
2010年度班会議・ワークショップポスター発表プログラム,P-17,2010.

拡張グラフカーネル法を用いたラット嗅球の匂い地図推定法の提案
(Glomerular activity pattern prediction using the marginalized graph kernel)
曽 智,辻 敏夫,滝口 昇,大竹 久夫
新学術領域研究「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学」
2010年度班会議・ワークショップポスター発表プログラム,P-18,2010.

曽君を中心としたA-lifeグループのメンバーが協力して研究発表の準備に取り組んでくれ,多くの生物分野の先生方に興味を持っていただくことができました.
A-lifeグループでは生物学と工学を融合した新しい学際領域の研究を目指しており,線虫,マウス,小型魚類とも工学の立場から,「生物に学ぶ」,「生物を利用する」という観点で研究を進めています.
まだまだ多くの課題が残されていますが,生物分野と工学分野の懸け橋となるような学術研究成果をあげていければと思います.