この1ヶ月,多くの研究室メンバーが国際学会,国内学会での発表を目指し,学会発表用の予稿作成に取り組みました.
現在作成中のものもありますが,それぞれ良い内容の予稿に仕上がったと思います.
せっかくの原稿ですから,今回まとめた内容にさらなる磨きをかけ,学術誌への投稿を考えてみたらどうでしょうか.
学術誌には,学会が運営する学会誌や出版社が運営する商業誌があります.
いずれの場合も,投稿規定にしたがって原稿を投稿すると,担当する編集委員が決まり,編集委員によって査読者が決定されます.
査読者の数は通常2〜3名で,採否判定がわかれた場合には査読者が増える場合もあります.
投稿した原稿は査読者によって詳しく審査されます.
国内の学術誌の場合,査読者の判定は「採録」,「不採録」,「再査読(条件付採録)」のいずれかです.
複数の査読者の判定にしたがって最終判定が行なわれますが,1回目の投稿で「採録」になることはめずらしく,「再査読(条件付採録)」や「不採録」の場合には編集委員や査読者からの質問やコメントが返ってきます.
査読者は投稿した論文内容に関連した専門家であるだけでなく,(論文が出版されたときの)未来の読者の代表ですので,査読者からの質問やコメントには十分に敬意を払う必要があります.
特に,「再査読(条件付採録)」の場合には,質問やコメントに丁寧に回答せねばなりません.
ときには誤った指摘や誤解にもとづくコメントがなされる場合もありますが,論文の読者にそのような誤解を与えないためにも注意して原稿を修正する必要があります.
残念ながら「不採録」の場合でも回答書をつけて再投稿することができますし,他の学術誌に投稿しなおす際にも査読者の意見は役に立つはずです.
自分で投稿した論文が学術誌に掲載されることはたいへん名誉なことであり,また研究のひとつの到達点でもあります.
修論や卒論の内容をまとめ直し,学術誌にチャレンジしてみたらどうでしょうか.