学会発表予稿の提出が終わり,論文の完成度や研究の進展に大きな達成感を感じている人も多いと思います.
論文提出後の開放感は大きな仕事を終えたような満足感があり,本当に気持ちがいいものです.
達成感は研究者の醍醐味でもあります.
論文の作成時には,研究背景,目的,ストーリー,オリジナリティ,結果の客観性や説得力などなど,多くのポイントを十分に考え,科学的(当然ですが),かつ分かりやすい文章と図表を使って表現していくことが大切です.
このような論文作成時の取り組みが研究を進める上で非常に重要であることは言うまでもありませんが,原稿を提出し終わって一息ついたときも非常に大切だと考えています.
あわただしく作成した論文を提出した後,混乱した実験データやファイル,実験装置等を整理整頓(これも大切ですね)し,もう一度,提出した原稿を落ち着いてじっくり読み返してみてください.
そのとき,以下のポイントをチェックしてみるといいと思います.
1. 原稿再チェック:
論文中に誤字脱字などの誤りはないか,文法的におかしい箇所はないか,目的と結果が対応しているか,数式は間違っていないか,図表に誤りはないか,結果に説得力はあるか,無理に結論を導いていないか,最初から最後までストーリはつながっているか,論理の飛躍はないかなど.
2. 研究内容チェック:
オリジナリティは十分か,行った解析やアルゴリズムは適切か,もっといい方法は考えられないか,よりよいシナリオはないか,意義のある研究か,本当に魅力的な研究かなど.
3. 自分自身チェック:
自分が最初に作成した原稿を読み直し,提出した最終原稿と比較してみてください.
また先生や先輩たちにどのような修正の指摘を受けたか,再確認してください.
そして,提出した原稿をいまなら自分ひとりで作成できるか,すべての計算,実験を先輩たちのサポートなしに自分ひとりで再現できるか,内容のすべてを他の人に話し言葉で(論文なしに)説明できるか,自分の研究の意義や魅力,おもしろさを友人に伝えることができるか,サポートしてくれた先輩たちと同じように他の学生の研究指導やサポートが自分にできるかなど.
そして,必要に応じて原稿を修正したり,新しい方法を試したり,必要な知識を補充したりして,次の機会に備えるとよいでしょう.
これらの積み重ねこそが大きな力になると信じます.
今後も修論中間発表会予稿,国際会議発表論文などなど,研究発表論文の作成が続きます.
急に寒くなりましたが,風邪など引かぬよう体調に気をつけながら,引き続きがんばってください!