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第51回 研究者の業績評価って?

2005.11.09

先週に続いて業績評価の話をしましょう.
(今日,たまたま知り合いの先生とそんな話をしましたので.)
大学の教員や公的機関・企業の研究者は,所属機関を移動したり,新しい組織に応募したりするときに,それまでの研究業績を評価されます.
ここでは,大学教員のpromotionを例に,どのような審査が行われるのかについて簡単に説明します.

もちろん,研究業績評価以外にもいろいろな評価項目があるのですが,ほとんどの部分は研究業績で決まると言っても過言ではありません.
研究業績は,
・博士学位論文
・学術雑誌掲載論文
・国際会議発表論文
・著書
・解説
が基本ですが,最近では上記に加えて,
・受賞
・特許
・取得した研究費
・学会活動(役員等)
を評価する場合が多いです.

特に,学術雑誌掲載論文,国際会議発表論文に関しては,修士課程修了相当年齢(24歳)以降の研究年数で割った年平均出版件数を算出します.
(学術雑誌掲載論文については国際誌と国内誌に分けて計算.first authorの件数を評価する場合もある.)
最近では,論文掲載誌のImpact factorやCitation indexによる引用回数の評価も一般的になりつつあります.

以上のデータをもとに,同じ専門分野で同職位の全国の研究者との業績比較を行います.
No.1になる必要はありませんが,それぞれの大学に応じた順位に入っている必要はあります.

純粋に客観的なデータ(エビデンス)に基づいた評価ですね.
もちろん,いずれの項目とも,一朝一夕に業績を増やそうと思って増やせるようなものではありませんので,1年1年の積み重ねが大切です.

結局,組織や出自,学歴や職歴ではなく,個人の純粋な研究業績が評価される点に注意してください.
自分の力で自分の将来を切り開いていくことができるのです.
実力がある人にはいくらでもチャンスがあります.
大学の研究者はほぼ100%,研究が大好きで,研究がやりたくて仕方がない人たちです.
自分の好きなことを職業にして,しかもそれが評価されるなんて,こんなに幸せな職業はありませんね.

研究が好きな人は,研究者を目指してみてはいかがでしょうか?
おもしろいですよ!!