二人ともハードウェア制御の実験が含まれている内容で,実際の実験の様子を撮影したビデオを使った発表は,迫力があって非常によかったと思います.
村上君のサイバーアームの制御は,これまで研究室で行ってきた研究を総括するような内容で,アーム制御の新しい可能性を示してくれました.
発表内容,実験結果ともよかったですし,対象としたタスクも面白かったです.
力の入れ具合が重要なタスクをうまく実現されており,アームもよく制御されていました.
松下君のシステムも,2軸ロボット,6軸力センサ,DSPを2台ずつ用い,しかもそれらをインターネット接続するという非常に高度な内容でしたが,見事に動作していました.
ストーンの衝
突の場面は特に迫力があってよかったと思います.
今後の展開が期待できそうですね.
二人とも,発表までの準備期間が短かったにもかかわらず,たいへん完成度の高い発表だったと思います.
これで卒論中間発表会は終了ですが,M2,B4に限らず,全員,自分の研究をいま一度チェックしてみてください.
特に,この発表会を通じて何度か指摘したように,
- 研究のコンセプトがきちんと提示されているか
- originalityとadvantagesが明確か
- 圧倒的な結果が示されているか
- 結果の客観的な評価は十分か
の4点が大切だと思います.
もちろん,すべてが完璧にオリジナルな研究なんてほとんどありませんので,その点については心配することはありません.
ただし,どこが自分のオリジナルか,今後,何をすべきかを明確にすることは非常に大切です.
今後の研究に発展していけるようなスケールの大きな研究を目指したいですね.
卒論,修論は,B4の人にとっては大学生活の,M2の人にとっては学部,大学院生活の総決算です.
自分で納得できるレベルの論文がまとめられるよう,最後まで妥協せず,ベストのものを追求してください.
論文を提出して発表会を終えたとき,いい論文が書けたなあという満足感と
100%の力を出したという達成感を心から感じることができるような研究を追求してください.
他人の評価や他の人との比較を気にするのではなく,自分が納得できるものを追求すること,これが一番大切ですね.
みなさん,自分が新しく行ったこと,自分が工夫したこと,自分が考えたことを大切にしながら,さらに
研究を進めましょう.