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第17回 1月に4年生の卒論中間発表会を行います.

2004.12.15

4年生のみなさんにとっては,おそらくはじめての正式な研究発表になると思います.
中間発表会の目的は,予稿やスライド作成,発表態度や話し方などの基本的なテクニックを学ぶことだけでなく,それまでの自分の研究を客観的に再チェックし,研究の目的,ストーリ,オリジナリティ,特徴,セールスポイント,今後の課題などを,世界の先行研究と比較しながら明確にすることにあります.
いずれも普段から考えていることですが,いざ文章やスライドで簡潔に説明しようとすると,
意外に難しく,また見落としていることが多いのにも気づくと思います.

また,言いたいことがきちんと客観的かつ一般的に述べられているか,きちんとデータに裏付けられてているかという点も重要です.
特に,実験やシミュレーション結果は,データをしっかりそろえたつもりでも,いざ論文を書いてみると説得力に欠けている場合があります.
論文を書きながら足らないデータをまとめていくというプロセスは,論文の完成度を上げる意味で非常に重要です.

いずれにしても,これまで進めてきた研究成果をまとめて発表できるだけでなく,研究内容を客観的に見直すいい機会になると思います.
また中間発表までにできるだけ完成度あげておけば,卒論を一気に進めることができ,
よりレベルの高い卒論がまとめられると思います.

ただ,中間発表の準備を進めていくうえで,心にとめておいて欲しいことがあります.
第一は,指導を担当している先生や大学院生からさまざまな修正ややり直しを要求されるであろうという点です.
自分が時間をかけて一生懸命に準備したものが却下されるのは,たしかにつらいですね.
けれども,
研究を進めていく上でどうしても必要なこともあるのです.
やはり,先生や先輩たちのほうが知識も豊富でしょうし,いろんな経験もつんでいると思います.
修正ややり直しを要求されるのはそれが必要と判断されたからで,なにかが足らないからだと思います.
そして,その足らないことを学び,自分の力にしていくことができれば,次に論文を書いたり,研究発表をしたりするときには,よりレベルの高いことができるでしょう.
修正してくれる人たちが,それだけの時間とエネルギーを費やしてくれているんだということを忘れないようにしたいですね.

第二は,発表用スライドや原稿,プログラム,実験装置など,過去の研究資料の利用の仕方です.
研究テーマによっては,今年新しくスタートしたものや何年も前から継続しているものがあります.
新しくスタートしたテーマはゼロからのスタートですから,すべて自分の力で作成せねばなりません.
これはたいへんですね.
でも,それだけ力はついていくと思います.
費やされる時間は決して無駄にはなりま
せん.
できるだけレベルの高いものを目指してがんばってください!
一方,自分のテーマに関する研究資料がそろっている人も,それに甘えず,できるだけ自分の力でやりとげるように心がけましょう.
けれども,もし利用できる
ものが
すでにあるなら,それを作成してくれた先輩に感謝しつつ利用させてもらってもいいと思います.
その代わり,その内容を完全に自分の力にしておいてください.
そして高いレベルからスタートできた分,より高いレベルのものを目指してください.
そして,より高いレベルのものを未来の後輩たちに残してあげてください.
ちなみに,今日,システムインテグレーションシンポジウムの発表練習をしてくれた人たちは,
新テーマに取り組んでいる人も,継続したテーマを担当してくれている人も,全員,非常に高いレベルに到達していたと思います.

研究室では,メンバーそれぞれが一人で研究しているわけでは決してありません.
メンバー全員で助け合って研究を進めているのです.
院生のみなさんも,みんな自分の仕事が忙しいにもかかわらず,4年生の人たちのサポートを
してくれています.
もちろん,困ったことがあれば遠慮なく,先生たちに相談してください.
みんな,全力でサポートしてくれると思いますよ.