予稿作成は,自分の研究を客観的に評価してみるいい機会になると思います.
優れた予稿を仕上げるためには,その研究のoriginalityとadvantageが明確に示されていなければなりませんし,目的,方法,結果,考察のすべてがそろっている必要があります.
もちろん,ページ数の
制限があるので,ポイントが明確になっていないといい論文を書くことはできませんし,そのポイントをできるだけわかりやすく説明することも大切です.
その意味で,予稿を作成しているうちに,現時点で自分の研究になにが足りないのか,次にやるべきことはなにか,さらに言えば自分にどのような能力が足りないのかとい
うことも見えてくるはずです.
そして,それらが次のステップへの足がかりになるはずです.
論文作成が簡単な仕事でないことはたしかです.
特に,論文を書いた経験が少ない人にとっては,非常にたいへんで,時間がかかる作業だと思います.
何度も論文を書いている人間にとっても,いい論文を書くのは難易度の高い作業です.
実際に論文を書いている人は,何度も書き直しや修正を求められてたいへんだ思いますが,いい論文を書くための,そしていい論文を書く力を身につけるためのプロセスだと考えてください.
なぜ修正を求められているのかをよく考え,自分で納得してから修正するようにしてください.
たとえ教官や先輩に修正されてもそれを鵜呑みにせず,十分考えてから修正するようにしてください.
最終的に文章を決定するのは自分自身です.
このようなプロセスを何度か
繰り返せば,自然といい論文が書けるようになると思います.
それから,指導をしてくれている院生の人たちもたいへんだと思いますが,よろしく
お願いします.
おそらく自分で書いた論文より他人の論文を読んだほうが問題点がよくわかると思います.
他人の論文を適切に修正できるようになれば,自分の論文は当然,良く書けるように
なるはずです.
自分がせっかく修正したところが,最終的には反映されないということもあるかもしれませんが,
気にすることはありません.
問題点を指摘してくれるからこそ,論文はよくなってい
くのです.
みなさん,いい論文をできるだけたくさん読むよう心がけてください.
いい論文をたくさん読んだ人はいい論文を書けるようになると思います.
逆に論文を読んだことがなければ,書くことなど到底不可能でしょう.
研究室ではたくさんの論文誌を購入しています.時間があるときに,ぜひ読んでみてください.
今週末が投稿締め切りです.
体調に気をつけながら,論文完成に向けてもう一息,がんばってください!