研究紹介

 電磁誘導血圧計

メディカルエンジニアリンググループ

本研究では,頸動脈の連続血圧を非侵襲かつ触診可能な新たな血圧計を提案した.計測ユニットは,一対のコイル回路基板,一対のバネ,およびプラスチックチップからなり,各バネは回路基板とチップとの間に取り付けられている.バネの変位から基板間の距離を計測し,電磁誘導による電圧信号に変換する.まず,頸動脈波振幅の変動を正確に測定するため,提案センサを皮膚表面に押し付ける最適な力を調べた.次に,この最適な力でセンサを押し付けたときの頸動脈波を測定し,市販の脈波トランスデューサを用いて測定した頸動脈圧と比較した.2つの頸動脈間の相関係数は0.9以上であり,提案センサによって頸動脈波の非侵襲測定が可能という結論が得られた.

関連文献情報

1.電磁誘導を利用した触診可能頸動脈波センサの開発平野 陽豊,福地 智宏,栗田 雄一,神鳥 明彦,佐野 佑子,中村 隆治,佐伯 昇,河本 昌志,吉栖 正生,辻 敏夫電気学会論文誌C (電子・情報・システム部門誌), Vol. 132. No. 12, pp.1934-1942, 2012.

2.Development of a Palpable Carotid Pulse Pressure Sensor Using Electromagnetic Induction
Harutoyo Hirano, Tomohiro Fukuchi, Yuichi Kurita, Akihiko Kandori, Yuko Sano, Ryuji Nakamura, Noboru Saeki, Masashi Kawamoto, Masao Yoshizumi, Toshio Tsuji
2012 IEEE/ICME International Conference on Complex Medical Engineering (CME 2012), pp. 441-444, Kobe, Japan, July 1-4, 2012.