研究紹介

把持力増大機構を用いた5指駆動型筋電義手の開発

筋電グループ

本研究では,把持力増大機構を有し,5指の独立した屈曲動作が可能な筋電義手を提案する.生体の動作を同様の自然な制御を実現するため,制御システムには人の前腕のインピーダンスモデルを内蔵し,使用者の筋電信号から求めた筋収縮度を制御信号として用いた.実験の結果,本5指義手の握力は20Nを超え.屈曲駆動による握り動作を0.53秒で実現できることを確認した.また,制御信号として筋電位信号を用いることで,指の滑らかな動きと把持力の調整が可能であることを確認した.

関連文献情報

1. Electromyographic prosthetic hand using grasping-force-magnification mechanism with five independently driven fingers, T. Takaki, K. Shima, N. Mukaidani, T. Tsuji, A. Otsuka and T. Chin
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2. 5指駆動型筋電義手と筋シナジーモデルに基づく新しい制御法, 辻 敏夫,芝軒 太郎,島 圭介,高木 健,大塚 彰,陳 隆明, 日本義肢装具学会誌,26巻, 2号, pp. 91-96, 2010.

3. Multivariate Pattern Classification based on Local Discriminant Component Analysis, Nan Bu, and Toshio Tsuji, Proceedings of IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics 2004, 290, Shenyang, China, August 2004.

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