Yuichi Kurita, Biological Systems Engineering Lab.
指先接触面変化率(偏心度)を用いた指先力推定
研究背景スマートフォンやタブレット端末など,小型のデバイスが普及してきたことによってそれらデバイスを操作するためのインタフェースについても小型かつ操作性の高いものが求められていまする. タブレット端末の多くはタッチ認識による位置情報を基準とした入力(スワイプなど)を利用していますが,指先を大きく動かす必要があり,ゲームコントローラなどには向かない上に外部から動きを読み取られてしまう欠点があります. そこで我々は接触面の画像情報から画面に押しつけられた力の大きさを推定する技術を開発し,これを入力インタフェースに応用する手法を研究しています.
研究内容概要
我々は,指先-平面間の接触面変化と印加力の関係に着目し,接触面情報から解析的に指先印加力を算出する方法を提案しています.
任意の曲率をもつ弾性体が剛体平板と接触したとき,法線・接線方向力と,それによる弾性体の並進移動量との関係は,Hertzの接触理論により解析的に求めることができます.
接線方向力に対する接触面の並進移動量は微少であるため,それを直接計測するためには高解像度な接触面情報が必要となりますが,我々は接触面変化率を表す「偏心度」を提案し,これを使うことで低解像度な情報でも法線・接線方向力を推定することができるようにしました.
これにより,力センサを使わずに複数軸の力推定が可能になりました.
場所をとらないので,さまざまなヒューマンインタフェースデバイスに応用できます.
画像ベースなので,複数点同時計測も容易です.
代表的な特許・論文
- 印加力推定方法、印加力推定プログラム、およびコンピュータ入力デバイス, 栗田雄一,辻敏夫,氣比田晃士, 特願2013-147781 Filed on 2013.7.16
- 氣比田晃士,辻敏夫,栗田雄一 接触面変化に基づく指先印加力推定とインタフェース応用, 日本バーチャルリアリティ学会大会2013講演論文集,pp.533-536,2013.9.18-20