ハイトマップデータから触感を予測する触感デジタルデザインツール

研究背景
製品性能の成熟化が進む現在,質感,審美性や快適性などの感性に深くかかわる感性品質への要求が高まっています.質感を構成する要素の一つである触感は,製品評価にも大きな影響を与えるため,触感の定量的な評価手法が必要です.しかし従来の触感評価技術は,実サンプルを用意してセンサで計測する必要があり,実サンプル製作コストがかかります.原材料コストの高騰や持続可能な消費のためにも,コンピュータ上で触感をあらかじめ予測したうえで,その結果を踏まえて機能性や質感の高いテクスチャパターンを作ることを支援できる,Digital Haptics Design(触感デジタルデザイン)ツールを開発しています.

研究内容概要
我々は,サンプル作成を必要とせずに触感を評価する手法として,テクスチャをハイトマップデータとして表現したうえで,これを画像処理により空間周波数の特定帯域成分を特徴量として用いる手法を提案しています.これにより,従来のハイトマップのテクスチャ特徴量(一次統計量,二次統計量)を用いた手法よりも高い精度で,「すべすべ/ざらざら」「たいらな/おうとつな」「やわらかい/かたい」などの触感を予測できることができることを確認しました. この技術を活用して,ハイトマップ画像を入力すると,そのハイトマップ画像から生成できるテクスチャを人が触ったときに感じる触感感性を予測した結果を表示できるソフトウェアを作成しました.左ウィンドウの画面で入力する画像を選択すると,あらかじめ学習させておいた触感予測モデルを参照し,触感予測アルゴリズムから触感推定値を算出して,右ウィンドウに表示することができます.

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関連ソフトウェア(ハイトマップ画像を正確な3次元モデルから自動生成するソフトウェア)


関連発表文献

  1. 今岡恭司,山本義政,栗田 雄一, 離散ウェーブレット変換に基づく Subband Height Map を用いた触感推定, 第22回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会, 1F1-02, オンライン,2021.12.15-17 ( 優秀講演賞 受賞 )
  2. 今岡恭司、栗田雄一, パワースペクトル密度が指数関数的に減衰するテクスチャと粗さ感の関係, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会2021, 1P2-J04, オンライン,2021.6.6-8
  3. 金本拓馬、今岡恭司、栗田雄一, 表面テクスチャの空間周波数帯域の下限と粗さの主観評価の関係, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会2021, 1P1-M13, オンライン,2021.6.6-8
  4. 金本拓馬,今岡恭司,栗田雄一, テクスチャの空間 周波数帯域 と粗さの主観評価との関係性, ユビキタス・ウェアラブル・ワークショップ2020, 神戸&オンライン,2020.12.12-13 ( ベストプレゼンテーション賞 受賞 )
本プログラムの開発にかかわった関係者 本活動にかかわる研究助成,連携企業など