Yuichi Kurita, Biological Systems Engineering Lab.
Estimation of FIM values using machine learning based on movement measurements
運動計測に基づく機械学習を用いたFIM値の推定
松浦 詩乃 (2024年3月博士前期課程修了)
リハビリの各段階においては理学療法や作業療法、言語聴覚法を組み合わせてアセスメント→計画→リハビリ実施→再評価を繰り返し実施される。効果的なリハビリのためには、患者一人一人に最適な計画を立てることが必要で、そのためにはADL(Activity daily living)を正確に評価することが重要である。 このADL 評価法としては機能的自立度評価法(Functional independence measure:以下,FIM)やBarthel Index,Kats Index といった手法がある。その中でもFIM は、2016年より回復期リハビリテーション病棟のアウトカム評価として「リハビリテーション実績指数」の算出に用いられていることから、日本でも広く普及している最も信頼性の高い評価システムの一つである。 このFIM では、運動項目13 項目と認知項目5 項目の全18 項目を全7 段階で評価するためより詳細にADL を判定可能で、治療効果などの変化を捉えやすいため正確にリハビリ効果を評価できるといったメリットがある。一方で、採点のルールが細かく決められており、リハビリの専門スタッフでも評価が難しく、実施者によっても評価にばらつきが生まれることが問題点として挙げられる。また、評価項目が多い上、信頼性の高い評価を行うためには訓練が必要なため、時間や手間がかかり、患者や実施者への負担が大きい。そこで容易に実施可能で信頼性の高い新たなFIM 値評価システムがあれば有用である。 本研究では、動画による運動計測と機械学習を用いて、特に項目が多く短期間で点数に変化の現れやすい運動項目のFIM 値の推定を行った。動画撮影による簡単な運動計測を行った後、3 次元の位置情報を取得する。その後このデータを用いた機械学習によるFIM 値の推定手法について検討する。今まで人によって行われてきた評価を簡単な運動計測で代替することでリハビリ評価の負担軽減と、精度の高い評価を行いリハビリの実施につなげることでリハビリ効果・効率の向上に繋がるシステムを目指す。We conducted the estimation of FIM values, particularly for motor items with numerous components that show changes in scores over a short period, using motion measurement through videos and machine learning. After performing simple motion measurements through video recording, we obtained 3D positional information. Subsequently, we explored a machine learning-based method for estimating FIM values using this data. By substituting the previously manual evaluations, which varied among individuals, with straightforward motion measurements, we aim to alleviate the burden of rehabilitation assessments. Simultaneously, we strive to achieve a highly accurate evaluation that can contribute to improved rehabilitation effects and efficiency. The system aims to bridge the gap between the simplicity of motion measurements and the effectiveness of rehabilitation evaluations.