テクスチャの空間周波数帯域と粗さの主観評価との関係性

金本拓馬(2021年3月工学部第二類卒業)

五感の一つである触覚は,物に触れる際に生じる感覚であり,人が外界の物を評価する上で特に重要な要素の一つであるが,テクスチャの触感に関して空間周波数に着目して解析した例は少ない. 本研究では,パワースペクトル密度が空間周波数の増加に伴い指数関数的に減少する傾向をもつテクスチャを設計・製作し,下限周波数を変化させたテクスチャを対象とした主観評価実験を行うことで,粗さ感を評価した.その結果,テクスチャの低周波成分は粗さ感に寄与しない可能性が示された.また,実験の結果得られた粗さ感と下限周波数に対してフィッティングを行い,粗さ感に寄与しない可能性が高い低周波帯域のカットオフ周波数を得た.