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はじめての国際会議発表

11月10日(火)〜12日(木)の3日間,広島大学学士会館において The 5th International Workshop on Computational Intelligence and Applications 2009 (IWCIA 2009)が開催され,本研究室からM2の加芝 祐介君,M1の福島 俊介君が発表を行いました
はじめての国際会議,はじめての英語発表ということで非常に緊張したと思いますが,二人とも論文作成から発表準備まで非常によくがんばったと思います.
発表内容も完成度が高く,すぐにでも学術論文として投稿できるくらいの内容で,素晴らしかったと思います.
以下は二人が作成してくれた発表議事録です.

今後も積極的なマインドを持ち続け,いろいろなことに挑戦していくといいでしょう.
お疲れさまでした!


IWCIA2009(H21.11.11)
会期:2009年11月10日(火)〜12日(木)
会場:広島大学学士会館(広島県東広島市)


【発表者】
加芝 祐介
【発表タイトル】
Analysis of Human Hand Impedance Properties Depending on Driving Conditions
Yusuke Kashiba, Yoshiyuki Tanaka, Toshio Tsuji, Naoki Yamada and Takamasa Suetomi
Proceedings of the 5th International Workshop on Computational Intelligence and Applications 2009 (IWCIA 2009), pp. 88-93, Hiroshima, Japan, November 2009.
【質疑応答】
■Q1.車両速度によって手先剛性の変化の仕方が異なっているが,これは何に起因するものと考えられるのか.
■A1.運転中の被験者の目標物によるものと考えられます.人間は車両速度が遅い場合は比較的近くを見ながら運転をしていますが,車両速度が速くなるごとに遠くを見るようになります.
それに伴い運転時に目標とするものも変化していると考えられます.
今回の運転状況であれば,低速では車線を目標物としていたけれども車両速度の上昇にともない車線を目標物としなくなった,その結果として,車両速度100km/hでは車線の有無であまり手先剛性が変化しなかったと考えられます.
■Q2.最後に提案している制御系はフィードバック制御になっているが,視覚情報に応じた手先特性の変化はフィードフォーワード制御になるのでは?
■A2.たしかに,ドライバは次の運転を予測しながら手先特性を変化させており,これはフィードフォーワード制御と捉える事ができます.
このようなドライバの操作特性をアシストするためには,運転状況を把握してあらかじめアシスト量を変化させるような制御が必要となります.
そのためには,ステアリングのセンサだけでなく,車載カメラなどを用いてドライバ状態と運転状況を同時計測し,フィードバック制御とフィードフォーワード制御を組み合わせたシステムにする必要があると考えています.
■Q3.主にどのような視覚情報が手先剛性に影響を与えていると考えられるか?
■A3.車両速度と道路の幅が影響していると考えられます.
■Q4.運転中の操舵反力はどのようになっているのか?
■A4.実車の操舵感をインピーダンス制御にて再現しています.
インピーダンス計測のために強制変位をかける瞬間のみステアリングが位置制御へと切り替わるようにしています.
【感想・反省点】
質問の内容自体は難しいものではなく,ある程度聴きとれていたので,日本語であれば答えられていました.
しかし,聞きもらしたときの対応の仕方について準備不足であったり,説明しようにも単語が浮かんでこず,ほとんど答えることはできませんでした.
英語力不足とともに,質疑応答への準備不足を痛感しました.質問された先生は,人間工学,感性工学の研究をなされており,今回の発表に興味を持ってくださいました.
セッション終了後には日本語で有意義な議論をすることができました.
今後はぜひ英語で議論できるようにしたいです.


【発表者】
福島 俊介
【発表タイトル】
Development of an evaluation tool for a driving seat reducing neck injury based on mechanical impedance
Shunsuke Fukushima, Yuhei Nomoto, Yoshiyuki Tanaka, Toshio Tsuji, Toru Takeshima, Masaya Yamashita
Proceedings of the 5th International Workshop on Computational Intelligence and Applications 2009 (IWCIA 2009), pp. 82-87, Hiroshima, Japan, November 2009.
【質疑応答】
■Q1. 上体の重心(位置,回転モーメント)はどのように設定したか.
接触の際,重心の位置によっては変に回転してしまうが.
■A1. 人間モデルはBioRIDUダミーのデータを基に構築しました.
また,未知パラメータは最適化手法により設定しました.
※以下のように回答するべきでした.
ダミーのデータを基にした重心位置,回転モーメントのデータを人間モデルに導入しております.
【感想・反省点】
初めての国際学会でしたが,聴衆の表情を見て,落ち着いて発表することができたと思います.
しかし,質疑応答では質問を十分に聞き取ることができず,何度も聞き返した末に質問者に日本語でフォローして頂き,また座長の先生にも応答のフォローして頂くなど,自分の英語能力不足を痛感しました.
今回の学会は,自分の英語能力の低さを確認できた良い経験だったと思います.


2009/11/17